植物の力を借りるThe power of plants

昔から良質な建築材として使用されてきた植物には、長い間大切に使われてきたなりの特性・効果があります。 ただし、それらの良い特製・効果は、良い状態で健康に育った植物に期待できるものであり、育成状態の悪いものは、その特性が薄れる傾向があります。
人工林は、適切に管理して手入れをしていく必要があります。

建材として使用される「檜(ヒノキ)」と「杉(スギ)

耐久性にも優れている檜(ヒノキ)、加工性に優れている杉(スギ)は構造材から造作材まで幅広く活用されていて、昔から住宅によく使われる木材です。
東濃地方と呼ばれる美濃東部(裏木曽とも呼ばれている)は室町時代からの木材産地であり、特に江戸時代には尾張藩の飛地領として保護されてきました。特に東濃地域で産出される国産材は、伊勢神宮の式年遷宮で御神木として使用されることから有名です。

  • 東濃ひのき

    ヒノキJapanese Cedar高級な建築材

    ヒノキは古くから社寺の建築用材として最適で最高の材となることが知られており、高級な建築材として扱われてきました。

    東濃ひのき

    岐阜県東濃地方は、恵まれた地質とヒノキの生育域の北限に近い気候により、全国屈指のヒノキ生産地となっており、この地方で産出された桧を平成3年より地域ブランド『東濃ひのき』と言っています。
    この地域の恵まれた地質と気候で育つ『東濃ひのき』は時間をかけ成長するため年輪が緻密で油分を多く含にでいるため粘り強さがあり、反りや狂いが少なく、建築材として最適です。

    ヒノキの効果

    抗菌/調湿/防虫/消臭/リラックス

    ヒノキ材が持つ力

    ヒノキは伐採後200 年間で最大120%程度まで強度を増し、その後1000 年で長い年月をかけ非常に緩やかに強度は落ちていきます。
    その低下具合は1000 年で20%ほどです。1200 年の時を経ても伐採時と同程度に戻るだけということです。
    世界最古の木造建築法隆寺にある五重塔は607 年建造。建築材としてヒノキが使われています。長期間強度を保つヒノキの特性が実証されています。

  • 粘りが強く加工しやすい東濃杉

    スギJapanese Cypress日本人にとって馴染みのある木材

    スギは長い歴史と造林により、日本国土の約12%に植えられています。そのため手に入れやすく、日本人にとって馴染みのある木材としても知られています。

    東濃杉

    粘りが強い『長良すぎ』の赤身の部分は湿気に強く雨の多い地域でもおすすめです。
    東濃地域での製材では、伝統的に二度挽きが行われています。これは一度製材したあとに再度しっかりと乾燥させることで不良材を排除し、再度製材する方法で、手間をかけることでより寸法精度が高く、曲がりや反りの少ない木材とすることができます。
    天然乾燥では香りの元となる油分がそのまま保持されるので、リラクゼーション効果のある杉の香りや抗菌効果もある木材です。

    スギの効果

    リラックス/抑うつ状態改善/アトピー性皮膚炎軽快/二酸化炭素吸収

    科学的なデータもある"癒し建材"

    スギは、強度があることに加えて熱を蓄える機能を兼ね備えていることから、古来より日本全国の住宅の内装に多く使われてきました。また内装に使うと二酸化炭素や二酸化窒素などを吸収して室内の空気をきれいに保つ効果があるそうです。
    東大寺正倉院に収蔵されている杉の容器に収められた宝物が1250 年も大きな損傷がない状態で保たれたのも、この効果によるところも大きいと言われています。